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2009年11月21日

つぎの王様

『僕は、
王様にならない、
と言ったけど、
オヤジはすんなりと
納得してくれるだろうか?』

アーサーは、
とても心配でした。

アルフレッドが
家に訪ねてきたとき
『お前がなればいい』
と、言ったものの、
彼も召使のひとり。

アルフレッドが
王さまになろうと言うはずも
ありません。

もし、
そう言ったとしても、
アーサーの父親が
認めるはずがないのです。

後継ぎには、
誰がふさわしいのでしょう?

つぎの王様のことを考えるのは
頭の痛いことでした。

兄さんか、
弟がいれば良かった。
アーサーはそう思いました。

「気苦労が多くて大変だねえ。
やっぱり“庶民”が一番だな」

タカアシさんは
言いました。

アーサーは、
父親が
むかし言ったことを
思い出しました。

『アーサー、
“王様”は、
自分のためではなく、
王国のオットセイたち、
みんなのためにあるのだよ』

こども心に、
なんてむずかしい話なんだ、
と思ったものです。

まるで
どこか知らない国の
別のオットセイたちのことのようでした。

ところが、
いまは、
遠く離れた
南の島から届く、
父親からのメッセージのように
感じました。

「僕にはとても務まらない。
王様の息子だという
それだけの理由で
王様なんてなれないよ」

アーサーは呟くように言いました。

――その時は、
アーサー自身も
気が付かなかったのですが、
ずっと後になって、
父親の言ったことが、
自分のからだの隅々まで
染み込んでいることに、
気がつくことになるのでした。




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posted by イワトビマコト at 13:09| Comment(0) | 海の中の郵便局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする